かきつばたになった少女

[童話]かきつばたになった少女


かきつばたになった少女 29


夏になると、女神さまたちはかきつばたに会い
に、八島の湿原にやってきます。
「かきつばたは本当に美しい少女だったけれど、
花になってもやっぱり美しいのね」
そういいながら、女神さまたちはかきつばたの
花をめでるのでした。


沼のほとりにただずみ、かきつばたの花をみて
いると、「山彦さーん、山彦さーん」という、
かきつばたの声が聞こえてくるそうです。
紫色の花になったかきつばたは、今も山彦と一
緒に草原を走りまわっているのでしょうか。


        おわり





「かきつばたになった少女」は、
みほようこ四冊目の童話集「ライオンめざめる」
に収録されています。


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