黄金色のまゆ玉

[童話]黄金色のまゆ玉


    黄金色のまゆ玉  11


明神さまがまゆ玉を手にとりみていると、どこからかお
ごそかな声が聞こえてきました。
「明神よ、諏訪の地をおさめてくれて、ありがとう。今日
は、おまえに黄金色のまゆ玉を授けよう。そのまゆ玉
は、どんな願いでもかなう。病気で死にそうな人も、そ
のまゆ玉を手にすると、すぐ元気になれるのじゃ。


どうじゃ、すごいまゆ玉じゃろ。これから、三十年に一
度、一つずつ黄金色のまゆ玉を授けよう。次のまゆ玉
が授かるまで、そのまゆ玉を大切にするのじゃよ。そし
て、この地方に養蚕をひろめてほしい。蚕は、天の神
様たちが大切にしている虫じゃ。明神よ、これからも諏
訪地方の人々をしっかり守っておくれ。頼むぞ、明神」
そんな声がどこからか聞こえてきました。


             つづく