黄金色のまゆ玉

[童話]黄金色のまゆ玉


    黄金色のまゆ玉  21


「明神よ、いつまで奥さんとはなれてくらすつもりじゃ。
一日も早く奥さんと仲なおりしたまえ」
どこからか声が聞こえてきました。
「そうじゃのぅ。一日も早く妻に戻ってきてもらわなくて
はのぅ」
明神さまは、心の中でそっとつぶやくのでした。


あれから、何千年もの月日が流れました。
明神さまは、今も湖の向こう側に住んでいる奥さんの
ところへ通っています。
冬になると、明神さまは湖の氷の上を通り、奥さんの
ところへ行きます。
諏訪の人々は、明神さまのかよう道を、「おみわたり」
とよぶようになりました。


              おわり