黄金色のまゆ玉

[童話]黄金色のまゆ玉


    黄金色のまゆ玉  18


「そんな・・・。じゃあ、私との約束は、どうなるの。私、
長い間、黄金色のまゆ玉をかしてもらえると楽しみに
して待っていたのよ」
心のやさしい奥さんでしたが、さんざん楽しみにして
待っていたまゆ玉です。
奥さんは虫のいどころが悪かったのか、すなおになれ
ませんでした。


「私、このやしきを出ていくわ」
「これくらいのことで出ていかなくても良いではないか」
「まゆ玉のことはともかくとして、私は寒いのが大嫌い。
今までずっとがまんしていたけれど、ここは日が沈む
のも早いし、とても寒い。こんな寒い所には、これ以上
住めないわ。私は、湖の向こう側の日がよくあたる場
所へいって暮らしたいの」


             つづく