井戸で鳴く黄金色のにわとり

[童話]井戸で鳴く黄金色のにわとり


    井戸で鳴く黄金色のにわとり  19


「おぅー」
「おー」
織田の兵士たちは大声をあげ、再び大島城をせめ
てきました。
火のついた矢が、あちこちからとんできます。
城に、再び火がつきました。
そして、城はたちまち火の海になりました。
「助けてー」
城内にいた人々は、安全な場所をさがし逃げまわり
ました。


姫も、にわとりを胸にだき、城の中をあちこち逃げま
わりました。
しかし、どこへ逃げても、城の中は火の海でした。
「く、くっ、く」
にわとりが、苦しそうに鳴いています。
「こっこ。がんばってね」
姫は、にわとりをはげましました。


              つづく