[童話]日本武尊と明神さまの弓
日本武尊と明神さまの弓 6
宴がたけなわになった頃。
おうすは懐から剣をとりだすと、兄のたけるの襟をつ
かみ、胸をぐさりと刺しました。
「きゃあー」
「たけるさまが刺されたー」
女の人たちの悲鳴で、大さわぎになりました。
その様子をみて、弟のたけるはこわくなって逃げ出し
ました。
おうすは弟のたけるを追いかけ、梯子の下においつ
めました。
そして、背中をつかむと、剣で尻を刺しました。
「どうかその太刀を動かさないでください。お話したい
ことがあります」
「何だ」
つづく