日本武尊と明神さまの弓

[童話]日本武尊と明神さまの弓


    日本武尊と明神さまの弓  15


「おこしてしまったかな」
「いいえ。ぐっすりひと眠りしました」
たけるは、老人の弓を借りて引いてみました。
たけるが持っている弓より、数倍強い弓でした。
「この弓があったら、東方の国もたやすく征伐できるかも
しれない」
たけるは、この弓がほしくなりました。


「すばらしい弓ですね。この弓を譲っていただけませんか」
「貸すことはできるが、譲ることはできません」
「そこを何とか」
「この弓は、譲れません」
老人は、きっぱりいいました。
何度お願いしても、「譲れません」というばかりでした。


           つづく