牛に乗ったお玉さま

[童話]牛に乗ったお玉さま


    牛に乗ったお玉さま 6


翌朝。
底なし池のほとりで、はきものが二足、そろえておい
てあるのがみつかりました。
お玉の赤い緒のぞうりと、坊さんの白い緒の下駄で
した。
お玉も、いつしか坊さんのことが好きになっていたの
です。


「死ななくてもよかったのに。なぜ死んでしまったの」
「坊さんが好きだといってくれればよかったのに」
一人娘をなくした長者夫婦は、なげき悲しみました。
黒もお玉を慕って、「もぉー、もぉー」となき続けました。


           つづく