大国主命

[童話]大国主命


      赤い猪 6


急いで切れ目を切り開き、大国主命をひきずり出すと、一
生けんめい看病しました。
おかあさんの祈りが通じたのか、大国主命は再び生き返
りました。


「これ以上、おまえをここにおいておくわけにはいかない。
すぐに、須佐之男命(すさのおのみこと)さまが住んでい
る根之堅州国(ねのかたすくに)へ逃げなさい。そうすれ
ば、須佐之男命さまがいいようにとりはからってくれるで
しょう。根之堅州国への道は、木国の大屋毘古神(おお
やびこのかみ)が知っています。まずそこへ訪ねていき
なさい。体に気をつけて、元気で暮らすのですよ」
そういって、おかあさんは、大国主命を見送りました。


           つづく