守屋山に黄金色の花が咲いた

[童話]守屋山に黄金色の花が咲いた


守屋山に黄金色の花が咲いた 10


春になると、おおぜいの人が黄金色の花を
さがしにやってくるが、誰の目にも見えな
いのじゃ。明日兄にも黄金色の花をみせて
おやり。一本くらいは兄にも見えるだろう
から…。兄も今度こそよくなるだろう。
おまえの苦労ももう少しじゃ。いつまでも
今のやさしい気持を忘れないようにな」


そういうと、明神さまは少女に黄金色の花
を一株くれました。
少女は家に帰り、明神さまからいただいた
黄金色の花を、兄にみせました。
兄は黄金色の花をみてにっこり笑いました。


       つづく





「守屋山に黄金色の花が咲いた」は、
みほようこ初めての童話集「風の神様
からのおくりもの」に収録されています。


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