竜神になった三郎

[童話]竜神になった三郎


竜神になった三郎 24


しかし、三郎は毎日妻のことばかり考えて
いました。
「早く家に帰りたい。おっかあはどんなに
心配しているだろう」
そう思うと、三郎はいてもたってもいられ
ません。
「どうか妻に会わせてください」
三郎は、何度も神様にお願いしました。
「もう少したったらのぅ」
神様はそういうばかりでした。


一方、三郎の妻は、いくら待っても三郎が
帰ってきません。
「兄さん、三郎さんがまだ帰ってこないの
ですが、どうしたのでしょうか」
心配になった妻は、兄たちに聞きました。
「三郎はな、町で用たしをしてくるといっ
とった。だから、もうすぐ帰ってくるじゃ
ろ。心配ないさ」
兄たちは、平然としていいました。
 

         つづく




竜神になった三郎」は、
みほようこ二冊目の童話集「竜神になった
三郎」に収録されています。


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