福寿草になった少女

[童話]福寿草になった少女


福寿草になった少女 17


「福や、福や。おきるのじゃ。こんな所
でねていると、こごえしんでしまうぞ」
うすれゆく意識の中で、福はその声を聞
きました。
その声は、どこかで聞いたことがあるよ
うな、とてもなつかしい声でした。


一方、用事からもどった夫婦は、福が家
にいないのに気づきました。
「福やー、福やー」
二人は、あちこちさがしまわりました。
村の人々も、手分けしてさがしてくれま
した。
しかし、福はどこにもいません。


          つづく   





福寿草になった少女」は、
みほようこ二冊目の童話集「竜神になった
三郎」に収録されています。


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