福寿草になった少女

[童話]福寿草になった少女


福寿草になった少女 22


奥さんの目には、美しい娘になった福
の姿が、はっきりみえました。
「とうちゃん、かあちゃん。今年も忘
れずに私に会いにきてくれたのね。う
れしいわ。


私ね、明神さまにお願いして、とうち
ゃんがみたいといっていた黄金色の花
にしていただいたの。きれいな花でしょ。
今は一本きりだけれど、何百年かたて
ば、何万本にもふえると思うの。とう
ちゃん、かあちゃん。来年も再来年も、
忘れずにここにきてね。きっとよ」
どこからか福のかわいい声が聞こえま
した。


          つづく   





福寿草になった少女」は、
みほようこ二冊目の童話集「竜神になった
三郎」に収録されています。


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