福寿草になった少女

[童話]福寿草になった少女


福寿草になった少女 16


どのくらいの時間がすぎたのでしょうか。
あたりがなんとなくうす暗くなってきま
した。
福がでかけた時は、からりと晴れていた
のに、今にも雪が降ってきそうでした。
しばらくすると、雪がちらちらと舞いは
じめました。


「早く家に帰らなくては。とうちゃんと
かあちゃんが、心配しているだろう」
福は、山をおりようと思いました。
しかし、一日じゅう山の中を歩き回った
せいか、もう一歩も歩けません。
福は、枯葉の上に腰をおろしました。
そして、いつの間にか、うとうととねむ
ってしまったのです。
福の体の上に、少しずつ少しずつ雪が積
もっていきました。


          つづく   





福寿草になった少女」は、
みほようこ二冊目の童話集「竜神になった
三郎」に収録されています。


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