[童話]ふしぎな鈴
ふしぎな鈴 49
校長先生と桜の鈴 7
「しかし、かなはまだ幼い。遠い昔のことを
話したところで、どうなるものでもない。か
なもいつか私のことを知るだろう。その日が
くるまで、そっとしておこう」
校長先生はそう心に決めました。
「かな、いいものをあげよう。 桜の鈴だよ。
ほら、いい音がするだろう」
「リーン・リーン・リーン」
校長先生が鈴をふると、鈴虫が鳴いているよ
うな音色が、あたりにひびきわたりました。
つづく
「ふしぎな鈴」は、
みほようこ三冊目の童話「ふしぎな鈴」
に収録されています。
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