笛の音よ、永久にひびけ

[童話]笛の音よ、永久にひびけ


笛の音よ、永久にひびけ 11


「いよいよ、わしの番か。さぞ、痛いだろうな」
そう思った時、耳元で「チェーーン」という高
い音がしました。
「ばさりっ」
かえでの木のたおれる音が、丘の上にひびきわ
たりました。
かえではあまりの痛さに顔をしかめ、そのまま
失神してしまいました。


気がついた時には、かえでは一メートルくらい
の長さに切られていました。
そして、他の木といっしょに、高原のふもとへ
運ばれました。
たくさんの木だったので、森の木はそのまま何
カ月も積まれたままでした。


        つづく





「笛の音よ、永久にひびけ」は、
みほようこ四冊目の童話集「ライオンめざめる」
に収録されています。


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