[童話]笛の音よ、永久にひびけ
笛の音よ、永久にひびけ 14
「なんて大きなかえでの木だろう。せめて
かえでの木だけでも、なんとか生かしてあ
げたいものだ。そうだ。かえでの木で笛を
作ったらどうだろう。きっとすばらしい笛
ができるにちがいない」
若者は、そう思いました。
「笛を作りたいのですが、かえでの木をゆ
ずっていただけませんか」
若者は、責任者の人にたのみました。
「かえでの木で、笛ができるのですか?」
「ええ、できますよ。きっと、すばらしい
音色のする笛ができると思いますよ」
若者は、そう答えました。
「丘の上のかえでの木が、笛になるなんて
うれしいね」
それを聞いた村の人々は、喜びました。
つづく
「笛の音よ、永久にひびけ」は、
みほようこ四冊目の童話集「ライオンめざめる」
に収録されています。
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