竜の姿をみた少女

[童話]竜の姿をみた少女


竜の姿をみた少女 16


「そうか。友だちにいじめられたのか。竜など、
だれもみたことがないから、竜がいるなんて信
じることができないのだろうね」
おじいさんは、なぜかさみしそうな顔でいいま
した。


「わしも、若いころ、信じていた兄たちに、う
らぎられたことがある。兄たちは、幼い時から、
わしをうんとかわいがってくれた。そんな兄た
ちが、わしをうらぎるなんて。心から信じてい
た人に、うらぎられるのはつらいものじゃのぅ」
おじいさんは、うらぎられた時のことを思いだ
したのか、つらそうな顔をしました。


          つづく







「竜の姿をみた少女」は、
みほようこ五冊目の童話集「竜の姿をみた少女」
に収録されています。


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