女神さまからのおくりもの

[童話]女神さまからのおくりもの

 

プロローグ 6


それから三年がすぎました。
八ヶ岳のふもと、佐久の庄屋の家に、かわいい
女の子が生まれました。
長い間こどもが授からなかった夫婦は、大喜び。
きよと名づけられた女の子は、心の優しいこど
もに育ちました。
 

第一章 白駒は、誰の馬?


白駒は、誰の馬? 1


八ヶ岳のふもと、佐久の里にも、さわやかな秋
がやってきました。
ふもとの山では、木々の紅葉が始まりました。


「ただいま」
吉衛門が、山から帰ってきました。
「とうちゃん、お帰りなさい。きのこ、たくさ
んとれた?」
「とれたよ。きよ、いいものがあるから、庭へ
おいで」
「いいものって、何だろう」
きよは、わくわくしながら、庭へ行きました。


         つづく