女神さまからのおくりもの

[童話]女神さまからのおくりもの

 

諏訪からきた少年 9


「吉衛門さんは、いい息子さんがいて、幸せじ
ゃのぅ」
「いや、清太は、わしの息子ではない。わが家
で働いている少年じゃ。こんなすてきな息子が
いたら、うれしいのだが」
清太と吉衛門は、なぜか親子にまちがわれました。


忙しい生活を送っている清太にも、たった一つ、
楽しみがありました。
白駒の背にきよを乗せ、八ヶ岳のふもとの高原
を、二人で走りまわることでした。
きよと高原を走っている時、清太は幸せでした。


         つづく