女神さまからのおくりもの

[童話]女神さまからのおくりもの

 

プロローグ 5


清太が生まれて一カ月後。
桜の花が満開になったある日。
朝日長者の門前に、生後一カ月位の女の子と、
梶の紋がついたお守りが置いてありました。
「神様が、わしら夫婦の願いを、やっときい
てくださった。ありがたいことじゃ。この子
は、神様が授けてくださったこどもにちがい
ない」


こどものいない長者夫婦は、その子に「ふく」
と名前をつけ大切に育てました。
ふくに乳を飲ませてくれたのは、清太の母で
した。
清太とふくは、実の兄弟のように仲良く育ち
ました。


        つづく