[童話]竹取物語
くらもちの皇子と蓬莱の玉の枝 2
「くらもちの皇子は、こんなふうに、みんなに見送
られて出発しました」と、人々に信じさせたのです。
三日後。
皇子は人目につかないように、船で帰宅しました。
帰宅した皇子は、計画通りに、当時の一流の金工
六人を集め、簡単に人が寄りつくことができないよ
うな家をつくり、金工たちをそこへ住まわせました。
秘密を守るため、垣根を三重にし、厳重な警戒を
したのです。
そして、皇子も金工たちと一緒に、その家に籠って、
玉の枝の制作を見守りました。
つづく