くらもちの皇子と蓬莱の玉の枝 14
このさわぎをかぐや姫が聞き、金工が差し出した文を
読むと、こんなことが書いてありました。
「くらもちの皇子は、千日の間、身分の低い金工たち
と同じ家に隠れ住み、立派な玉の枝を作らせました。
そして、玉の枝が完成したら、官職をくれるといいま
した。
いろいろ考えてみると、側室のかぐや姫さまが、玉の
枝を希望しているのではないかと、気がつきました。
ですから、くらもちの皇子のかわりに、かぐや姫さまか
ら玉の枝の代金をいただきたいと思います」
金工たちは、「当然いただくべきお金です」と、口々に
いいました。
つづく