帝、かぐや姫の昇天を確かめる 11
おじいさんが泣いている姿をみて、かぐや姫はとほ
うにくれました。
「じい、手紙を書いて、お別れします。私を思い出し
た時には、手紙を読んでくださいね」といって、姫は
泣きながら、おじいさんに手紙を書きました。
「私が、人間の国に生まれていたならば、二人とい
つまでも一緒に暮らせたでしょう。ほんとうに残念で
す。私が着ていた着物を、形見に置いていくのでみ
てください。月がでた夜は、月をながめてくださいね。
大切に育てていただいたのに、このような形で、月
に帰って行くのは、心苦しく思います。空から落ちて
しまいそうな、そんな気持です」
つづく