黄金色のまゆ玉

[童話]黄金色のまゆ玉


    黄金色のまゆ玉  6


二月初めのある夜。
青年たちは、今夜も明神さまの後をつけていました。
湖の真ん中あたりまできた時、「ばりばりっ、みしっ」
という大きな音がして、氷がわれはじめました。
「わぁー!」
「気をつけないと、湖へ落ちるぞ」
青年たちは、おもわず後ずさりしました。
そうしている間に、その夜も明神さまをみうしなってし
まいました。


「今夜こそ、行く先をつきとめられると思ったのに、残
念だったな」
「それにしても、あぶないところだった。こんな寒い夜
湖に落ちたら、しんぞうまひで死んでしまうぞ」
青年たちは、とぼとぼと家に帰りました。


             つづく