黄金色のまゆ玉

[童話]黄金色のまゆ玉


    黄金色のまゆ玉  7


「そうだ。今度は湖の向こう側へ先まわりして待ってい
たら、どうだろう」
「おお、そうすれば、うまくいくかもしれないぞ」
青年たちは、湖の向こう側へ先まわりして、明神さまを
待つことにしました。
でも、明神さまの行き先をつきとめることはできません
でした。


そんなある日。
「明神さま。このごろ、奥さんの顔をみかけないけれど、
奥さんは元気かのぅ」
「ああ。元気じゃよ。妻は用事があって、里へ帰ったの
じゃ」
「それにしても、長いのぅ。奥さん、どうかしたのかね」
「どうもしないよ。今に帰ってくるじゃろ」
奥さんのことをたずねると、明神さまはなぜか困った顔
をしました。


             つづく