日本武尊と明神さまの弓

[童話]日本武尊と明神さまの弓


    日本武尊と明神さまの弓  12


おばは、すさのおのみことから献上された「草薙の
剣」と、火うち石などが入っている袋をたけるに渡し
ました。
「何かあったら、この剣と袋の中に入っている物を
使いなさい」と。
たけるは、草薙の剣と袋をもち、東方の国を征伐す
るため道をいそぎました。


ある日。
たけるは、城にたてこもっている賊を討つため、越
後へ向かっていました。
碓氷峠を越え、山深い里にたどりついた時、日が
暮れてしまいました。
「困ったな。今夜は野宿か」
そう思いながらとぼとぼ歩いていくと、みすぼらしい
一軒の家がありました。


           つづく