[童話]日本武尊と明神さまの弓
日本武尊と明神さまの弓 18
越後の帰り、たけるは老人の家に寄りました。
「このすばらしい弓のおかげで、城にたてこもっていた
賊をみごとに討つことができました。ほんとうにありがと
うございました」
たけるは、老人にお礼をいいました。
「この弓をなぜ譲っていただくことができないのか、今
日はそのわけをお聞きしたいのですが」
すると、老人は困った顔をして、しばらく考えこんでい
ました。
「そのわけを、そなたに教えましょう。わしの後をついて
くるがいい」
老人は、裏山の奥深い場所へ、たけるをつれていきま
した。
つづく