赤い夕顔の花

[童話]赤い夕顔の花


    赤い夕顔の花  12


「戦国の世だから、どんなことがおこるかわからない」
盛永は、そう覚悟していました。
しかし、今夜の下条の急襲は、予想外でした。
「ここ数年、下条とはいい関係が続いていたのに。な
ぜだ」
盛永には下条時氏がせめてきた理由がわかりません。


「みなのもの、下条との戦じゃ。いそいで、戦の準備
をしろ」
盛永が、家臣たちにむかって、大声でいいました。
城の中は、大さわぎになりました。
ほろよいかげんだった家臣たちも、一気に酒のよい
が冷めました。


           つづく