[童話]赤い夕顔の花
赤い夕顔の花 36
「盛永さまや家臣たちが、無事でありますように。も
う一度、この城に戻ってくることができますように」
お万は、心の中で祈りました。
「奥がたさま。背中の荷物を、少し持ちましょうか」
「だいじょうぶです。あなたこそ、重い荷物を持って
いただきすみません。道中、どうかよろしくお願いし
ます」
「奥がたさま。無事に浪合の実家へ着けるといいで
すね。では、先を急ぎましょう。下条の兵士たちにみ
つからないように、こちらの近道を行きましょう」
お万たちは、近道を歩いて行きました。
つづく