赤い夕顔の花

[童話]赤い夕顔の花


    赤い夕顔の花  20


「さあ、犬坊。城から脱出するぞ」
盛永が、犬坊にいいました。
二人は、下条の兵士たちにみつからないように、こっ
そり城を出ました。
でも、兵士たちにみつかってしまいました。
「城主の盛永が、逃げだしたぞ。早くつかまえろ」
下条時氏が、大声でさけびました。


「殿様。さあ、早く。安全な場所へ逃げましょう。殿様、
だいじょうぶですか」
「犬坊。だいじょうぶじゃ」
盛永と犬坊は、山に向かって必死で逃げました。
後から、下条の兵士たちが追ってきます。
二人をめがけ、矢や石がとんできます。


           つづく