赤い夕顔の花

[童話]赤い夕顔の花


    赤い夕顔の花  24


「殿様。あそこに小屋があります。少し休みましょう」
「そうじゃな。少し休むとするか」
二人は、小屋で休みました。
「殿様。私がみはりをしています。少し横になってお
休みください」
盛永は、わらの上で横になりました。


「犬坊。三年前、おまえに会ったのは、この小屋の近
くだったのぅ」
「殿様、よくおぼえていますね。あれは、殿様が鹿狩
りをしていた時でしたね」
「おまえは、わしが追っていた鹿を、たった一本の矢
で射止めた。すごい少年がいるものだとびっくりした」


           つづく