海彦山彦

[童話]海彦山彦


      海彦山彦 5


山彦は毎日海へ行き、つり針を探しました。
でも、つり針はみつかりません。
山彦は、自分の長い剣をこわし、五百本のつり針を
つくり海彦にわたしました。
「そんなつり針ではだめだ。元のつり針でなくては」
海彦は、つり針を受け取ってくれません。


山彦は、また別の剣で千本のつり針を作り、海彦に
渡しました。
「兄さん。どうかこのつり針で許してください」
「許さん。元のつり針でなくてはだめだ」
そういって、海彦はつり針を受け取りませんでした。


            つづく