大国主命

[童話]大国主命


      稲羽のしろうさぎ 7


そういうと、うさぎは「うわーん、わーん。痛いよ、痛いよー」
と、大声でなきだしました。
うさぎの話を聞いた大国主命は、かわいそうに思いました。
「川口へ行き、真水で体をよく洗いなさい。そして、蒲の穂
をたくさん集め、蒲の花粉の上で寝ころんでいなさい。そ
うすれば、すぐよくなるだろう」と、教えてやりました。


うさぎは喜んでお礼をいいました。
「あんな意地の悪い八十神たちは、八上比売を妻にする
ことはできません。八上比売は、きっとあなたのお嫁さん
になりますよ。みていてごらんなさい」と。
うさぎは、蒲の穂をたくさん集め、その上で休んでいると、
痛みもやわらいで元通りの体になりました。


           つづく