[童話]福寿草になった少女
福寿草になった少女 10
「ほら、みて。福が笑っているわ。かわいい
笑顔ね」
「福がね、はいはいできるようになったのよ」
「つかまりたちができるようになったわ」
「福が歩けるようになったの。ほら、みて。
上手に歩けるでしょ」
二人は、福の成長を、何よりも楽しみにして
います。
福は、色白の笑顔のすてきなこどもでした。
姿がかわいいだけでなく、誰からも愛される、
心のやさしいこどもだったのです。
「とうちゃん、かたをたたいてあげる。そこ
へすわって」
福は小さな手で、長者のかたを、とんとんと
たたいてくれます。
「きもちが良いのぅ。福、ありがとよ」
長者はうれしそうです。
つづく
「福寿草になった少女」は、
みほようこ二冊目の童話集「竜神になった
三郎」に収録されています。
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