[童話]福寿草になった少女
福寿草になった少女 9
「この子に、たくさんの福が授かりますように」
長者は女の子に、「福」となづけました。
「長者さまに、かわいい女の子が授かったそう
だよ」
「だんなさまも奥様も、どんなにうれしいこと
か。本当によかったのぅ」
「これから、おやしきもにぎやかになるねぇ」
うわさを聞いた村の人々も、大喜びでした。
「福ちゃんにお乳を・・・」
男の子を生んだばかりの人が、福に毎日お乳を
のませてくれました。
その人のおかげで、福はひもじい思いをするこ
となく、丈夫に育ちました。
大人ばかりの静かなやしきが、とてもにぎやか
になりました。
笑い声のたえない、明るい家になったのです。
つづく
「福寿草になった少女」は、
みほようこ二冊目の童話集「竜神になった
三郎」に収録されています。
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