福寿草になった少女

[童話]福寿草になった少女


福寿草になった少女 9


「この子に、たくさんの福が授かりますように」
長者は女の子に、「福」となづけました。
「長者さまに、かわいい女の子が授かったそう
だよ」
「だんなさまも奥様も、どんなにうれしいこと
か。本当によかったのぅ」
「これから、おやしきもにぎやかになるねぇ」
うわさを聞いた村の人々も、大喜びでした。


「福ちゃんにお乳を・・・」
男の子を生んだばかりの人が、福に毎日お乳を
のませてくれました。
その人のおかげで、福はひもじい思いをするこ
となく、丈夫に育ちました。 
大人ばかりの静かなやしきが、とてもにぎやか
になりました。
笑い声のたえない、明るい家になったのです。


          つづく   





福寿草になった少女」は、
みほようこ二冊目の童話集「竜神になった
三郎」に収録されています。


https://mihoyouko.web.fc2.com/douwasyuu2.html



本の注文は、鳥影社へ

https://www.choeisha.com/order.html