福寿草になった少女

[童話]福寿草になった少女


福寿草になった少女 20


長者は、たくさんの宝物を、使用人や村の
人々に、おしげもなくわけ与えました。
大切なこどもをなくしてしまった長者には、
宝物などもう何の価値もなかったのです。
長者は、福がたおれていた場所にも、たく
さんの小判を埋めました。
その後、長者はこじんまりした家をたて、
福をしのびながら、夫婦二人だけで、ひっ
そりと暮らしました。


十年が過ぎました。
福の命日に、二人は守屋山に登りました。
「福が生きていたら、今年は十八ね。すて
きな娘になっただろうに・・・・・・」
二人は福のことを思いだしながら、守屋山
へ登って行きました。

       
          つづく   





福寿草になった少女」は、
みほようこ二冊目の童話集「竜神になった
三郎」に収録されています。


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