[童話]福寿草になった少女
福寿草になった少女 19
次の朝。
守屋山のふもとの反対側で、雪で真っ白に
なった福がみつかりました。
寒さのため、福はこごえ死んでしまったの
です。
「福や、福や。目をさましておくれ」
「福、なぜ守屋山へなど行ったの?」
大切なこどもをなくした夫婦は、気もくる
わんばかりに、なげき悲しみました。
「明神さま、お許し下さい。せっかく授け
ていただいたのに、私の不注意から、福を
死なせてしまいました。私が黄金色の花の
ことを話さなければ、福は守屋山へ行くこ
ともなかったでしょう。私が福をころした
ようなものです」
長者は、明神さまに、心からわびました。
つづく
「福寿草になった少女」は、
みほようこ二冊目の童話集「竜神になった
三郎」に収録されています。
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