ふしぎな鈴

[童話]ふしぎな鈴


ふしぎな鈴 1


プロローグ 1


小高い丘にのぼると、目の前に南アルプス
の山々が美しくみえます。
山深いこの町にも、ようやくあたたかな春
がやってきました。
丘の上の桜が、今年も美しく咲きました。


かなは丘へ着くと、桜の木の方へ走って行
きました。
そして、ポケットから鈴をとりだし、静か
に鈴をふりました。
「リーン・リーン・リーン・・・」
すんだ音色が、あたりにひびきわたります。


「かなさん、ありがとう。今年も忘れずに
会いにきてくれたのね。うれしいわ」
桜の花が、笑顔でかなを迎えました。


        つづく





「ふしぎな鈴」は、
みほようこ三冊目の童話「ふしぎな鈴」
に収録されています。


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