ふしぎな鈴

[童話]ふしぎな鈴


ふしぎな鈴 2


プロローグ 2


「今年もきれいに咲いたのね」
かなは、そっと花のにおいをかぎました。
桜の花の香りが、あたりにぷーんとただよいま
した。


大好きなおとうさんがなくなった年の春。
かなはおとうさんといっしょに、この丘へ桜の
花をみにきました。
桜の花が美しく咲いていたのを、今でもはっき
りおぼえています。


その時、おとうさんは小桜姫の話をしてくれま
した。
小桜姫が大切にしていた、二つの鈴のお話です。
「そんな鈴があったらいいなぁ。大好きな小鳥
や花とお話ができるなんて、さぞ楽しいだろう
な。小桜姫さまのように、私も小鳥や花とお花
をしてみたい」
かなはそう思いました。

      
        つづく





「ふしぎな鈴」は、
みほようこ三冊目の童話「ふしぎな鈴」
に収録されています。


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