[童話]ふしぎな鈴
ふしぎな鈴 36
「かな、みてごらん。朝顔の芽がでてきたよ。
かわいいだろ」
「かな、つるがのびてきたよ」
「ほら、みてごらん。つぼみが三つもついた
よ。もうすぐ花が咲くよ。楽しみだね」
朝顔の花をみていると、おとうさんの声が、
なつかしく思い出されました。
おとうさんがなくなってから、百日がすぎま
した。
かなの村に、初雪が降りました。
初めちらちらふっていた雪も、いつの間にか
ぼたん雪にかわりました。
雪をみているうちに、かなは黄金色の鳥がお
いていった、黒い種のことをふと思いだしま
した。
つづく
「ふしぎな鈴」は、
みほようこ三冊目の童話「ふしぎな鈴」
に収録されています。
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