ふしぎな鈴

[童話]ふしぎな鈴


ふしぎな鈴 42


朝顔エスカレーター 13


はるかむこうに、小高い丘がみえました。
丘の上で、誰かが手をふっています。
かなは丘にむかって、広い野原をどんどん
走りました。
「おとうさんではないだろうか」
丘の上で手をふっていた人も、かけおりて
きました。
やはりかなのおとうさんでした。


「とうちゃーん」
かなは、おとうさんの大きな胸の中に、と
びこみました。
大好きなおとうさんのにおいが、ぷーんと
しました。
「かなー」
おとうさんも、かなをしっかりだきしめま
した。
雪をみているうちに、かなはこたつの中で
うとうととねむってしまったのでしょうか。


        つづく





「ふしぎな鈴」は、
みほようこ三冊目の童話「ふしぎな鈴」
に収録されています。


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