[童話]かきつばたになった少女
かきつばたになった少女 11
「こんにちは。すごい霧だったね」
少年が、にこにこしながら近づいてきました。
「こんにちは。すごい霧でびっくりしたわ。
もう家に帰れないのではないかと思ったわ」
かきつばたは、ほっとした顔でいいました。
「みかけない顔だけれど、きみ、どこから
きたの?」
「あの山の向こうからよ」
「きみの名前は、なんていうの?」
「かきつばたといいます」
「えっ、かきつばた?」
少年は、驚いたような顔をしました。
つづく
「かきつばたになった少女」は、
みほようこ四冊目の童話集「ライオンめざめる」
に収録されています。
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