かきつばたになった少女

[童話]かきつばたになった少女


かきつばたになった少女 12


「美しい少女だと評判の、あのかきつばた
さんなの?おらは、かきつばたさんに会え
るのを、ずっと楽しみにしていたんだよ」
少年は、うれしそうにいいました。


「あなたの名前は、なんていうの?」
「おらの名前は、山彦」
「山彦? じゃあ、狩が上手で、足が早い
という、山彦さんなの?」
「そうだよ。おらがその山彦さ」
山彦は、大きくうなずきました。
山彦のことは、女神さまたちの間でも、う
わさになっていました。


        つづく





「かきつばたになった少女」は、
みほようこ四冊目の童話集「ライオンめざめる」
に収録されています。


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