かきつばたになった少女

[童話]かきつばたになった少女


かきつばたになった少女 13


霧が峰へ行くと、えものを追って走って
いる、足の早い少年がいる。色は黒いけれ
ど、とてもりりしい少年だ」と。
かきつばたも「いつか山彦に会いたいな」
と思っていました。


かきつばたは、人間の少年を、遠くからみ
たことはありますが、話をするのは今日が
初めてでした。
「色は黒いけれど、山彦さんて素敵なかた
ね。おともだちになりたいわ」
かきつばたは、心の中でそっとつぶやきま
した。
二人とも、今日初めて会ったのに、いつか
どこかで会ったことがあるような、とても
なつかしい気がしました。


        つづく





「かきつばたになった少女」は、
みほようこ四冊目の童話集「ライオンめざめる」
に収録されています。


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