女神さまとの約束

[童話]女神さまとの約束


女神さまとの約束 36


「おじいさん、おじいさん。だいじょうぶですか」
何度も声をかけましたが、おじいさんは返事をし
ません。


「だいじょうぶですよ。女神さまが守ってくれて
いますから。おとうさんと同じように、湯でひた
した黄金色の花びらで、おじいさんの体をやさし
くさすってあげてください。ふくさんのおじいさ
んだと思って、世話をしてあげてくださいね。何
日かすれば、おじいさんはおきあがることができ
るでしょう。じゃあ、私はこれで帰ります」


「白駒。もう帰ってしまうの? 今夜はここにい
て。お願い」
ふくは、手をあわせ、白駒にお願いしました。


          つづく







「女神さまとの約束」は、
みほようこ五冊目の童話集「竜の姿をみた少女」
に収録されています。


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