女神さまとの約束

[童話]女神さまとの約束


女神さまとの約束 44


でも、冬は寒さがきびしく、雪が何メートルも積も
ります。
雪は、六月末までとけません。
部屋の中はあたたかでしたが、何カ月間も毎日雪を
みてくらさなくてはなりません。
ふくは、けわしい岩場の生活に、だんだんあきてき
ました。 

病人をすくうことに、むなしさを感じるようになっ
ていました。
「女神さまが、自分で病人をすくえばよいのに。な
ぜ私がすくわなくてはならないの?」
こんな気持になることも、たびたびでした。


          つづく







「女神さまとの約束」は、
みほようこ五冊目の童話集「竜の姿をみた少女」
に収録されています。


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