[童話]竜の姿をみた少女
竜の姿をみた少女 20
「私、湖のほとりで、だれかが話しているのを
聞いてしまったの。もうすぐ三郎さまがしらか
ば湖にみえるよって、話していたわ。三郎さま
って、竜になった三郎のことではないかと思う
の。だから」
「かなは、いつその話を聞いたの?」
「いぬのふぐりの花が、咲き始めたころかな」
「そうか。かなは、しらかばたちが話をしてい
るのを、聞いてしまったのか。わしも、しらか
ばたちと話をする。しらかばがね、この村には
湖が大好きな少女がいるんだよって、かなのこ
とを話してくれた」
つづく
「竜の姿をみた少女」は、
みほようこ五冊目の童話集「竜の姿をみた少女」
に収録されています。
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