[童話]女神さまからのおくりもの
座禅草が咲いている高原で ８
「私、清太さんといっしょに、馬を走らせてい
る時が一番幸せ」
「おらも、きよちゃんと一緒にいる時が、一番
幸せだよ」
夢中で話をしているうちに、二人は高原へ着き
ました。
高原には、あちらこちらに、赤褐色の花が咲い
ています。
「清太さん。これが、座禅草の花なの」
「そうだよ。おもしろい形をしているだろう」
「ほんとうね」
「座禅草の花は、小さなお堂の中で、坊さんが
座禅をくんでいるような花だといわれている」
「よくみると、そんな感じね。あら、ここには、
五つも花が咲いている。坊さんたちが集まって、
何か話をしているみたい」
つづく
