[童話]女神さまからのおくりもの
座禅草が咲いている高原で 6
「私、清太さんのこと、うちの使用人だなん
て思ったことは、一度もないわ。清太さんの
こと、本当の兄ちゃんだと思っている」
「おじょうさまの気持はうれしいけれど、お
らはこの家の使用人だから」
貧しい家に育った清太は、さみしそうにいい
ました。
「おらも、おじょうさまのこと、本当の妹だ
と思っている。いや、それ以上かな」
清太は、心の中でそっとつぶやきました。
「さあ、おじょうさま。出発しよう」
馬小屋へついた時、清太がうれしそうにいい
ました。
つづく